木工作44


    桶太鼓の制作

やっと完成した試作品の太鼓桶。
このまま終了じゃもったいないので、自宅での練習用桶太鼓を作ることにしました。
この桶の他に必要なのは、表・裏の皮だけ。

皮と言っても、普通の太鼓のように胴体に皮を止めるのではなく、丸いリングに縫いつけた皮を上下ロープで引っ張って固定する方式なので、その部分を作成。
先ずは、皮を止めるリング。
350ミリの胴ですから、少し大きめの420ミリのリングを作ります・・・市販品でこのサイズのリングと言えば、プランタースタンドの貧弱なものくらいしか見あたりませんので、勿論自作。
先ずは、端材のMDFで少し小さめの半径200ミリの型を作り、その型をガイドとして、6ミリの鉄の丸棒を曲げていきます・・・力をかけて型ぴったりまで曲げても、ご覧のように広がってしまいますので、もっと小さい型で良かったかも。
曲がりきらなかった分は、力業で何とか合わせて、ご覧のように電気溶接・・・私の持っている溶接機では、この6ミリをくっつけるので限界。
本革を使用する場合、このサイズですと大体9ミリ以上の丸棒を使うようですが、今回は練習用として本革は使わないので、これで我慢することに・・・本当はこの前に9ミリの鉄筋で作ったのですが、固くて思うような形にならず、スペックダウンしたのでした・・・。
溶接が完成したリングを再度型に当てて、ゆがみを修整し、ご覧のようにさび止め塗装をしました・・・皮の場合、錆のシミが出てくることがあるらしいのですが、今回はあまり心配しなくても。

ロールオーバーします
と言いながら、塗装が乾いたら、100均で購入した内径6ミリのスパイラルチューブを全周に巻き付け、更に、ロールオーバーのようにビニールテープを巻きました。
これは、リングを直接叩いた場合に、バチに当たる衝撃緩和と、革(代用品)の痛み防止のため。
と言うことで上下1組の2個が出来上がりました。
出来上がったリングには、革の代用品として、ご覧の白いシートを縫いつけます。
このシート何か分かりますか?
本当はターポリンを使用したかったのですが、身近なHCでは入手できないため、防炎シートをボンドで3枚貼り合わせて使用することにしました。
貼り合わせたシートをリングに合わせて大きめにカットし、締め込み用の穴をポンチを使って空けたのがコレ。
リングを中に入れて、最初は巾着のように締め込みます。
そして更に写真の様に紐をかけて更に締め付けていきます・・・この時一カ所だけ力一杯締めると6ミリの貧弱なリングがゆがんでしまうので、均等に、そして徐々に締め込んでいきます。
今回は革ではないので、有る程度でやめておきました。
その後、胴に取り付けるためのロープを通す穴を30度間隔で12個ポンチ抜きして時間切れ。
この後、晩酌をしながら手縫いをし、1枚だけは完成しましたが、写真が無いので紹介は次回に。
さあー、いよいよ完成間近の手縫い作業です。
土日に工房で作業するのももったいない気がしましたので、帰宅後晩酌をしながらチマチマと縫っていきました。
写真に写っているのが手縫い道具・・・全て船舶用のものなのですが、指ぬきの代わりになるパーム、そして針は勿論セール針、糸は蝋引きのセールツワインです。
これらは、マリンショップやヨットハーバー、マリーナ等で購入できます。
手縫い道具の使い方はこんな感じ。
この使い方は、船の学校の授業と、練習帆船「海王丸」での乗船実習で覚えました。
船員経験のある方は、一度は使ったことがあると思いますが、私のように自宅に個人用として持っている方はまずいないでしょうね・・・私のようなよっぽどの物好き以外は。
今回は、革ではないので、針通りも良く、テレビを見ながらすいすい・・・という感じで縫い上げましたが、糸の蝋が手についてべたべた。
で縫い上がったのがこちら。
1枚縫い上げるのに1時間半程度・・・1晩1枚ずつにして2日間で完成。
縫い方は一番簡単なシングルステッチで、写真のような感じになります。
あまりアップにすると、がたがたの縫い目がばれますのでこれ位で・・・。
縫い上がったものの裏側は、余分なシートを切り取り、胴に合わせてご覧のように捲りあげておき、胴にセットした際に表面のシートが直に胴の唄口に密着するようにしておきます。

ロールオーバーします
2枚完成した時点で、勿論早々仮組みしてみました。

どうです・・・良い感じですね。
勿論軽く叩いてみましたが、取り付けロープを強めに張ると高い音が出て、本物と遜色ない感じでした・・・しかしながら、所詮防炎シートですから、あまり強いテンションでは破れる不安があり、少し弱めに調整しました。
ちなみにこの締め付けロープも100均の6ミリのロープをショートスプライスで3本つないだものです。
ロールオーバーで横方向からの感じがご覧になれます。

最終的に、締め付けロープをもう少し格好の良い形に結び直して、太鼓の先生にお披露目予定です。
3月12日の晩にご覧の通り完成しました。
調紐をいったんほどき、ご覧のようにテンションを確かめながら張り直してみました。
テンションが高くなりすぎそうなので、締め方はちょっと甘いですが、良い感じになったと思いませんか。
横から見るとこんな感じ・・・
誰も桶胴が1*4材で出来ているなんて思わないですよね。
材料費は全て込みで4−5千円ですが、手間がすごくかかります・・・正味4−5日は必要ですね。
後日、打面の打ち傷防止のために、白色のカッティングシートを貼りました。
中央部のみ3重張りとし、全面に1枚張っています・・・写真で分かりますかね。
これでほんとの完成とします。
おまけで・・・2*4の端材を使って、専用の台も作ってみました。

 
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