木工作47


    桶太鼓の制作A

ゴールデンウイーク最後にS家の物置を作った際、長男Yくんより、桶太鼓の作成依頼があり、作ってあげることに。
で、写真の図面が木材の割り付け図です。
これは、あるサイトでエクセルシートが公開されていましたので、それを利用させてもらっています。
ほしい直径と板の枚数を入れると、各1枚の板の寸法が計算できます。
今回は直径320ミリの桶を12枚の板で作りますので、幅85.7ミリで合わせ面を15度カットした板が12枚いります。
1*4材を自動カンナで15ミリくらいまで板厚を落とし、テーブルソーで角度切りして出来上がったのが手前の材料。
奥の材料は、同時進行で杉の野地板を使用して15枚あわせの桶を試作するために用意した物。

ロールオーバーします
先日購入したデジタルアングルゲージ・・・実はこの桶を作る際に必要を感じて購入したのでした。
ご覧のように12枚合わせの角度15度にぴったり・・・ロールオーバーの写真は、試作品の15枚合わせ用の角度12度に合わせた状態。
ピタッと合うと何かすっきりしますね。
出来上がった板を表面になる側を上にして作業台に並べ、養生テープで仮固定した後裏返したのが写真の状態。・・・この時板の向きをそろえないと、接着後のカンナ掛けが大変ですから、注意です。
このままの状態で各板が合わさる部分にボンドを塗り、仮固定のテープの力を借りて丸くして立ち上げます。
立ち上げた後は、ベルトクランプやラチェットベルト等の締め付け道具でギリギリと締め上げて一晩乾燥させます。
この締め付け具合で、接着後の強度が左右されますから、これでもか・・・と言うくらい強力に。
締め付ける力で言うと、真ん中のオレンジのラチェットベルトが一番強力ですね。
この時、締め付ける力が不均一ですと、桶の形が楕円にゆがんでしまいますので、内側に内接円のガイドでサポートすると良いのですが、今回はやっていません・・・毎回作るサイズが全く同じと言うまでの精度がないため、桶を作る度にガイドも作らなくてはならず、面倒で。
それでも一応は目視で円形になるようにFクランプで矯正したりはしています。
翌日、締め付けていたクランプ類を外し、各角をカンナで削って丸くしていきます・・・今回はある程度でやめたので、多少カクカク感は残っていますが、ランダムサンダーで更に角を削り、最後に桶の口部分(唄口)をディスクグラインダーに多羽根ディスクを取り付けた物で薄く仕上げていきます・・・ここを薄くしないと、表面に張った皮の振動で、ビビリ音が発生するようです。
最終的には、シアソフトで手仕上げしました。
これで桶作りの木工作業は完成です。
ここまではいつもの木工で良いのですが、この後が大変なんですよね。
鉄のリングを作り、代用革の接着、縫いつけ等々。

この後、唄口の強度を出すために木固めエースを塗っておきました。
木固めエースが乾いたら、次は色つけ。
仕上げはいつも通りクリヤーラッカー仕上げとしますので、使用するのはご覧の水性ステインのブラックです。
油性のステインでは、仕上げのラッカー系塗料に溶けてしまい、色がにじんでしまうため、水性の方が良いように思います。

ロールオーバーします
これが水性ステインで着色した状態・・・黒だったら、わざわざステインを買って使用しなくても、墨汁等でも代用できそうな感じですね・・・次に黒を使用する機会があったら、試してみます。
この後、ヤニ止めのためネオラックニスで塗装し、4ミリのロープのタガを嵌めたのが、ロールオーバーの写真、黒の下地に白いロープで引き締まって見えますね。
次週はこの上からクリヤーラッカーを塗装し(ロープにもラッカーを染み込ませて固めてしまいます)リングを溶接して・・・。
それに太鼓の先生の訪問もありますので・・・完成はしばらく先ですかね。
5月17.18の土日、先週に引き続きYくんの太鼓を作ります。
先週の続きで、ロープのタガを取り付け、クリヤーラッカーで仕上げ塗装をし、桶胴が完成しました。
今回のサイズは、直径が約320ミリ、高さが450ミリほど。
お次に、打面用の鉄のリングを作っていきます・・・今回の打面の大きさは直径450ミリの予定ですので、それより少し小さめの型板(MDF18mm)で6ミリの鉄棒を力ずくで曲げていきます・・・右上に写っているシルバーの金具は、鉄棒を保持するためのストッパーです。
本当は9ミリ程度の鉄棒を使いたいのですが、私の持っている溶接機の能力ではこの6ミリが限界のため我慢して・・・。

ロールオーバーします
曲げ終わった鉄棒は、円周の長さにカットして、ロールオーバーのようにくさび形に加工してから溶接します・・・6ミリの丸棒そのままでは、溶接が困難な物ですから。
下手くそな溶接で何とかくっついたら、ディスクグラインダーで成型してご覧の状態に仕上げ、この後さび止め塗料を塗り、その上にスパイラルチューブを巻いて、更にビニールテープを巻き付けています。

ロールオーバーします
そして、打面は前回同様に防炎シートの3枚張りを使用し、作った鉄リングにセール糸で縫いつけてあります。
その後打ち抜きポンチで調紐用の穴を空け、調紐を通していきます・・・今回は6ミリのロープを20m使用しました。
まず最初に、ご覧のように下穴にロープを通し、その後縦のロープを互い違いに締め込んで、ロールオーバーのような亀甲縛りにしていきます・・・締め方はネットで調べたのですが、ロープ端部の処理は自己流です。
最後に打面の保護のため、ご覧のようにカッティングシートを貼り付けて出来上がり・・・シートは、写真のように大きな物を1枚と、その上から真ん中部分にもう一枚重ねて張っています・・・もちろん上下2枚の打面にです。
そしてこれが完成写真・・・胴の大きさと打面の大きさが違いすぎてしまったようですが、音的には大丈夫なようなので、我慢してもらうことにしましょう。
最後の仕上げて、太鼓台に傷防止のフエルトを貼り付けて全て完成です。
この後Sさんが引き取りに来られ、納品完了。


   
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