木工作52


    太鼓桶の制作C

子供が習っている太鼓の先生よりのオーダーでまたまた太鼓桶を作ります。
今回は15枚あわせとしますので、杉板を所用の長さにカットし、この後テーブルソーで両端を12度の角度切りをします。
角度切りか終わったら、内側になる面を下にして全部並べ、テープで仮固定してから、ご覧のように裏返し、板の合わせ目にボンドをたっぷり塗り込みます・・・タイトボンドのオープンタイムが短いため、写真は撮っていませんが・・・。
ボンドを塗ったら、仮固定のテープの力を借りて、丸めて立ち上げます・・・このテープですが、ガムテープやクラフトテープなどの強力な物を使うと、接着後剥がす際に表面の繊維がくっついて剥けてしまいますから、ご覧の緑の養生テープがちょうど良いようです。
後はベルトクランプなどを使ってギューギューに締め上げて一晩放置し、接着されるのを待ちます。

この次の工程が一番手間がかかるのですが、写真を撮ってません
その工程とは鉋で削って円柱形に形を整えていくこと・・・使用しているのは杉材ですから、なるべく薄めに何度も削らないと表面がきれいになりませんので非常に時間と体力が必要です。
大体納得する形になったら、サンダーで仕上げ、最後に唄口を5ミリくらいまで薄く削って行きます・・・以前はディスクグラインダーに多羽根ディスクを取り付けてやっていましたが、どうも削れすぎる傾向があるので、アラカンという手道具で現在削っています。
形が出来上がったら、色つけです・・・いつものように墨汁を2度重ね塗りし、その後唄口だけ木固めエースで補強します。

桶表面の節や傷はこの色づけ前に砥の粉などを詰めて修正しておくときれいなんですが、今回のように水性ステインや墨汁を利用する場合、色の乗りが周辺部と違ってしまうため、あえて修正していません。
着色後、いつものクリヤーラッカーを5回ほど塗り重ね、今回はタガの代わりにご覧の平ベルトで締め付けました。
この平ベルトももちろん手作りです・・・HCでベルトと金具を購入し、セール糸を使って手縫いです。

完成してから気づいた失敗点・・・直径を測ってみると何か小さいことが判明。
テーブルソーでの傾斜切りの際、板幅をはかり間違えていたようです・・・ここまで出来てからでは修正不可能です。
ちなみに今回使用した接着用の締め付けベルトも今回手縫いで作りました。
100均のスーツケースベルトを2本用意し、ベルト本体と締め付け金具の部分を分解 → ベルト本体2本をセール糸で縫い合わせて長くする → 金具の部分はクランプが入る程度の輪にして再度手縫いで2個作る。
で出来たのがこれ。
ベルトは2本つなげてありますので約3mの長さがありますが、両端の締め付け金具で長さを調整できますので、簡単に調整することが出来ます。
ちょっと分かり難いですが、上のベルトの金具から右側は金具が付いた輪になっていて自由に移動できます。
そしてその輪は、下のベルトのようにこの隙間にFクランプやクイッククランプが入るように大きめにしています。
実際の使用例はこんな感じ。

Fクランプでギューギューに締め上げてみましたが、締め付け金具が滑ったりすることもなく、思った以上に良い感じでした・・・これ、使えますね。


    太鼓桶の量産
   
前回作った桶を先生に確認していただいたところ、これで良いとのことなので、残りの8個を続けて作っていきます。
先ずは杉の荒材をスライド丸ノコに定尺ストッパーを付けてカット・・・30センチの長さの板が60枚有ります。
これで4個分。
カットした板は、自動カンナで厚みを落とし、接着面両面を12度の角度でテーブルソーでカットしてご覧の状態・・・後は接着を待つばかりです。

簡単な工程とはいえ、60枚有りますから、結構時間はかかりますね。
本当は8個分一気に製材すればいいのですが、材料を置く場所が無くなりそうなので、半分ずつ作ることにしました。
お次は接着・・・先ずは板の向きを確認しながら、外側になる面を上向きに15枚並べ、ご覧のように緑色の養生テープで仮固定の後裏返し。
次に合わせ目にボンドを塗り込んで丸めながら立ち上げていきます。
その後は、ご覧のようにお手製の締め付けベルトで固く締め込んで1晩放置してくっつくのを待ちます。
翌朝、締め付けベルトを外し、外面を丸くするため、ご覧のように鉋で根気よくシコシコと削っていきます・・・これが一番時間と体力を必要とします。
あまり刃を出し過ぎたのでは、表面が荒れてしまうので、薄めに何回も・・・私は大体2周鉋掛けして、後はサンダーで仕上げています。
その後唄口をアラカンというヤスリで薄く仕上げ、ペーパーをかけたのが右の桶・・・左は接着したままの状態。
右の桶は、最終仕上げで、節や傷の部分にパテを詰めて修正後、塗装の工程に移ります。
この後左の桶も右側同様の状態まで仕上げ、その後量産のために、締め付けベルトをもう1セット手縫いして、3連休は終わってしまいました。
次週は、残り2個の接着と塗装の工程ですね。
9月20.21.23の飛び石連休。
先週の続きで桶を作っています・・・これは墨汁で着色し、唄口に木固めエースを塗った状態。
まだ、つやが全くありませんし、傷を埋めたパテの部分も色の乗りが良くないですね。

ロールオーバーします
墨汁で着色後、いつものようにクリヤーラッカーを塗り重ねたのですが、今ひとつ艶が良くないし、パテ埋めした部分が上手く隠れないと言うことで、今回は更に仕上げとして工芸うるしの黒色を塗ってみました。
ラッカー塗料の上に油性塗料が重なるのか心配でしたが、問題ないようですね・・・お陰でとっても良い艶が出て満足です。
ロールオーバーで仕上げに使用した工芸うるしがご覧いただけます。
仕上げ塗装が終わった物に、タガ代わりに4ミリのロープを巻き付けてギューギューに締め付けて完成です。
真っ黒な胴体に白いロープも良い感じだと思いませんか

と言うことで、試作品も含め、計5つの桶胴が完成しました。
ちなみにサイズは、直径360ミリ、高さ300ミリです(左上の試作品だけは、勘違いで直径が小さくなっている)

・・・これで終わりじゃないんです、計9個の注文ですから、あと4個作らねば。
10月11日からの3連休に残りの4個を作り始めました。

太鼓の先生が材料の杉板を持ってくる・・・とのことで2週間手が付けられずに待っていたのですが、いつまで待っても持ってくる気配がないので、しびれを切らして自分で手配して制作続行。
前回同様に、スライド丸ノコに定尺ストッパーを付けて切り出し・・・必要なのは60枚ですが、余裕を見て70枚切り出しました。
 
切り出したのが左の写真・・・70枚の中から60枚を選別して自動カンナで厚みを落としたのが右の写真です。
今回は、1ヶ月くらい前に購入しておいた在庫品を使用したのですが、いまいち乾燥が悪く、かび臭かったので、バーナーで両面あぶって、焼き杉の状態にしてから使用しました。
単調な作業ですが、60枚有りますので、時間がかかりますね。
 
自動カンナで仕上げた板をテーブルソーで12度の角度きり・・・両サイドですから、60*2回
出来たパーツを作業台に並べて養生テープで仮固定後、裏返して右の写真のように・・・この次は、板の合わせ目にボンドを塗っていきます。
右の二つはすでにボンドが乾いて、締め付けベルトを外した物、左の二つは、右の物が出来た後に接着している途中の物です。
やっぱり、締め付けベルトを2セット作っておいて正解でした・・・作業が倍のスピードで捗ります。
これは・・・接着できた2つの胴の角を鉋で削ったときに発生した削り節・・・いやいや鉋くずです。
この工程が一番大変で、時間もかかります。

1日で2個分削ると、握力はなくなるは、筋肉痛になるは・・・。
 
3連休での結果がこれ・・・最初に接着した物は、ご覧のように色づけまで進みました・・・後から接着した物は、右の写真のように締め付けベルトを外したままの状態。
来週で何とか完成できるかな?

ロールオーバーします
10月18,19の週末に先週の続きを。
仕上げの削りがまだだった2ヶを鉋で丸くし、塗装しました・・・今回は写真のように黒い物が2つとロールオーバーのようにマホガニー色の物が2つ有ります・・・私の好みではマホガニーの方が木目も出て良いと思うのですが。皆さんは如何ですか?
塗装が乾いたら、いつも通りロープのタガを取り付けて完成です。
ちなみにマホガニー色の物は、オイルステインで色づけをし、クリヤーラッカーを3回ほど塗り、仕上げのつや出しに工芸漆のクリヤーを薄く塗っています。
これで太鼓関係も終わりかと思ったら・・・また先生より太鼓台と桶のオーダーが。
いつまで続くのでしょう・・・けど、今のところ他の注文が入っていないので、よしとしましょうかね。

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